山奥に生きる限界集落、名頃かかしの里【徳島】

徳島県の山奥、日本三大秘境にも数えられる祖谷(いや)地域に、ローカル過ぎる観光地があります。

天空の村・かかしの里です。(訪問日:2024年4月28日)

祖谷の山奥へ

山あいの細い国道をくねくね進んでいくと、突然、道端に人影。

一瞬ドキッとするけど、やっぱりカカシだ!

名頃(なごろ)と呼ばれるこの集落には、今はほとんど人が住んでいないよう。
ここで出会うのは、国内外からのわずかな観光客と——それ以上の数のカカシたち。

家族の団らんも、

釣りに興じるのも、

農作業に勤しむのも、

この集落では、ぜーんぶカカシ。

名頃集会所

集落の中心部にある集会所。

名頃はかつてダム建設で賑わいを見せた集落でしたが、過疎化が進み、今では数えるほどの住人しかいません。

この地に再び温かさを取り戻そうと立ち上がったのが、地元出身の綾野月美さん。最初は鳥避けとして設置していたカカシが、いつの間にか1体、また1体と増えていったのだとか。

いま、集会所はカカシによって新たな賑わいを得ています。

まるで長老のもとに老若男女が肩を寄せ合い、真剣に会議でもしているみたい。

そんな様子を、羨ましそうに眺めるカカシも。

「そんなに気になるなら、中に入ってみたら?」

つい声をかけたくなります。ここにいるカカシはどれも生きているような佇まいで、人間である自分がおかしくなるような錯覚さえあります。

名頃小学校

集会所を出てすぐ、目の前の橋を渡ると、今度はカカシたちの通う小学校——旧名頃小学校です。

どうやら今日は、住民総出の催しがあるみたい(という設定?)。

机を囲んで談笑したり、綱引きに阿波おどり。奥では結婚式まで行われています。

体育館の壁には、名頃小学校・校歌の歌詞。

青空高く そびえ立つ
剣三嶺の峰々を
いつも仰いで 学んでる
明るい 名頃小学校

名頃かかしの里は、過去の賑わいを悼むと同時に、ユーモアと創意工夫で未来に語り継ぐ取り組みそのもの。

効率化や画一化が進む現代にあって、「その場所らしさ」を大切にする意義を強く感じさせるスポットです。

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